僕はどのようにしてクトゥルー信者となったのか

 いきなり自分語りか……。まあ、いいか。大学のサークル内で「クトゥルーの人」みたいに言われているようだし。
 
 てなわけで、僕はどのようにしてクトゥルー神話にはまっていってしまったのか?

 初めてクトゥルー神話およびラヴクラフトの名前を知ったのは、笠井潔『ヴァンパイヤー戦争』の笹川吉晴の解説。この本は角川版ではなく、講談社文庫版。表紙絵がTYPE−MOONのやつ。
 ちょうどこの本を読んだ時、創元推理文庫の『ラヴクラフト全集』の別巻が出ていて、手に取ったけどその時は何が何だか分からず、買わなかった。
 で、大学に入った後、魔がさしたのか創元推理文庫版『ラヴクラフト全集』を買っていた。とはいっても、一気に全部読みとおすことはなく、細々と読んでいたけど。段々読んでいくうちにこれ、面白いんじゃねと思ったが最後、気が付いたら創元推理版『ラヴクラフト全集』(全9巻)はもちろん、青心社『クトゥルー』(全13巻)、国書刊行会『新編 真ク・リトル・リトル神話体系』(全7巻)が自分の本棚にあった。どういうことなの……。
 あとは転がるように大量のムック本を買い、そこにのっていた本をまた買い、という連鎖が続くことに。こんなことをしているうちに、ついには新刊で買う本がほとんどなくなり、古本屋で現在絶版の本を探すことになってしまっていた。
幸いなことに、ないな〜、と探していたロバート・ブロック『アーカム計画』が復刊したのは本当にうれしかった(ありがとう東京創元社さん!)。
 というわけで、クトゥルー関係の本をだいたい読んだ僕は、次にラヴクラフトに影響を与えたとされるポー、ダンセイニ、マッケン、ブラックウッドの本を読むことになりました。
 それから、クトゥルー神話関連本だけでなく、いわゆる怪奇・幻想文学という名がつく小説を読み、現在に至る。

 以上で、よくわかんない自分語り終わり!

 結局、クトゥルー神話の何が自分をこうも熱狂させたのか、いまいちよく変わらない。人に聞かれた時も、「雰囲気ですかね」と答えていたけど、やっぱりそれ以外にはない気がする。好きな邪神とか、質問されても困る。
 もちろん、クトゥルー神話シェアード・ワールド作品なので書く人によって雰囲気は異なる。でも、「邪神に翻弄されるちっぽけな人間」というテーゼを僕はかなり気に入ったんだろうかな。そのためか、気合いで邪神を倒すという作品がそれほど好きじゃない。本来のテーマと異なるような……。でも、そういう作品が受け入れられるということもクトゥルー神話の長所だろう。

 さあ、みんなクトゥルー神話読もうぜ!